Resorttrust Rescuiting

Smile Spiral 座談会
#SPECIAL 15

非日常を感じるきらびやかな空間と、
そこで特別なおもてなしを届けるホテリエたち――
ホテルと聞くと、そんな世界をイメージする方が多いでしょう。
そんな特別なホテルの日常を、
お客さまからは見えないところで支えている部門があります。

今回は、エクシブ湯河原離宮の部門支配人3名が登場します。
表舞台に立つスタッフや関わる全ての仲間を支え、
社内外のあらゆる関係者と共に、
ホテルという一つの館の経営を管理する
仕事の魅力ややりがいを聞きました。
3名とも、リゾートトラストでの勤務は20年以上。
普段はなかなか聞くことのできない
想いの丈をたっぷりとお伝えします。
PROFILE
  • MATSUOKA
    副総支配人
    兼 宿泊部門支配人
    MATSUOKA
    2003年新卒入社。初配属はエクシブ鳥羽の宿泊部門。その後、エクシブ京都 八瀬離宮、エクシブ箱根離宮、エクシブ鳥羽別邸の開業に携わった後、エクシブ湯河原離宮 宿泊部門支配人。昨年4月より副総支配人も兼務。
  • SUZUKI
    クオリティ部門
    支配人
    SUZUKI
    1999年新卒入社。初配属のリゾーピア箱根、リゾーピア熱海でフロント、ショップ、オペレーター、幅広い職種を経験した後、クオリティ部門に配属。その後、開業スタッフとしてエクシブ湯河原離宮に配属され、営業職を経験後、クオリティ部門支配人に着任。産休・育休を経験し、現在は2児の母でもある。
  • MOTOTANI
    業務部門 支配人
     
    MOTOTANI
    1995年新卒入社。初配属のエクシブ伊豆で、新卒で業務部門に配属され、以来、約30年間ホテルの人事総務・経理等のプロフェッショナルとして、グランドエクシブ浜名湖、グランドエクシブ初島クラブの業務部門で勤務。エクシブ湯河原離宮で業務部門支配人に着任。
エクシブ湯河原離宮 部門支配人座談会 画像1/3
01/
ホテルを支える
3つの部門の支配人
宿泊部門の仕事
宿泊部門は、ホテルの中でも「宿泊」に関する施設やサービス提供を担当する部門です。
ショップ、スパやエステなど、ご滞在中にお楽しみいただける数ある付帯設備を管轄します。
クオリティ部門の仕事
クオリティ部門は、その名の通りホテルのサービスの品質(クオリティ)を管轄する部署です。
スタッフのおもてなしそのものや、設備面の品質に責任を持つため、スタッフの教育や営業中のホテルの見回りを行います。
業務部門の仕事
業務部門は、人事・総務・経理に加え、資材管理・施設管理などのバックオフィス業務を担う部署です。
ホテルの運営に密接に関わる人事・総務の仕事や、各部門から申請のあった物品の購入、防災設備の点検なども行います。
皆さんが統轄されている
3部門の役割を教えてください
MATSUOKA MATSUOKA
宿泊部門は、お客さまをお出迎えするファーストコンタクトから始まり、お帰りになる際にお見送りするところまでが仕事です。ホテルの最初の印象につながる非常に大切なポジションです。ホテル全体を管理している宿泊部門だからこその情報網を生かし、お客さまへのおもてなしの現状、お客さまのニーズ、ホテル全体の動きを常に把握し、お応えできていない時や問題がある時には速やかに改善しています。
SUZUKI SUZUKI
クオリティ部門はその名の通り、ホテルの核となる“クオリティ”に責任を持つ部門です。営業中はスタッフ一人ひとりの様子や、ホテルの細部に目を行き届かせています。特に、スタッフとのコミュニケーションやサポートは重要です。スタッフが常に最高のパフォーマンスを発揮できるように、定期的に面談を行い、仕事やキャリアの悩みを聞いたり、アドバイスをしたりしています。ホテルのさまざまな仕事を経験し、見てきた強みが発揮できる仕事だと思いますね。
MOTOTANI MOTOTANI
業務部門は、ホテルの運営に関わるあらゆる業務を担当します。そのため、宿泊部門や料飲部門など、ホテルのあらゆる部署から相談がくるため、さまざまな人とのつながりや関わりが多いですね。個人的な業務部門のイメージは「職員室」(笑)働く上で小さなことでも何か困ったことがあったら、誰でもバックオフィスに来てなんでも相談できる場所です。
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02/
ホテルで働く楽しさを伝え、
スタッフの成長に貢献する仕事
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ホテルのスタッフを支える仕事の
魅力・やりがいを教えてください
MATSUOKA MATSUOKA
スタッフの成長に貢献できることでしょうか。私自身、入社1年目の時に当時の支配人の方の言葉に助けられた経験があります。入社当時、自分は一生懸命に頑張っているにも関わらず、仕事は失敗続きでもどかしさを抱えていた時期がありました。その時、「君には向上心がない。何が良くて、何を変えないといけないのか、具体的に分析してみたら」と支配人に言われたんです。悩んで落ち込むのではなくて、具体的に何が足りないのかを考えて改善しなければ成長しない。それを「向上心がない」と、厳しく指摘してくださったのです。何より、私が悩んでいたことに気付いてくださっていたということも嬉しかったですね。20年経った今でもこの言葉をよく思い出し、自分を鼓舞しています。自分も、スタッフに成長のきっかけを与えられる存在になりたいと思っています。
SUZUKI SUZUKI
声かけ一つで変わりますよね。私たちがスタッフの悩みも葛藤も含め、その頑張りをすべて「ちゃんと見ているよ」ということが伝わっていれば、皆ももっと頑張ろう、もっとホテルを良くしようと努力してくれると感じています。その姿が、私たちの何よりのモチベーションややりがいになりますよね。そして、スタッフからお客さまへの心からのおもてなしにもつながり、ホテルの雰囲気も変わります。
MATSUOKA MATSUOKA
私たち支配人の声かけ一つでスタッフもホテルも変わる、責任も大きい分、やりがいも大きいです。鈴木さんはいかがですか。
SUZUKI SUZUKI
私は産休を経験していて、産休に入る際や復帰の直後には、当時の同僚や支配人の先輩方に支えていただきました。一時は パートタイマーになったのですが、産休から復帰した際、有難いことに「もう一度正社員をやりませんか」とお話をいただいたことで、今の私があります。たくさんの方に支えられて長年ホテリエとして歩んでこられたからこそ、今度は後輩のスタッフの人生を支えることができるこの仕事に大きなやりがいを感じています。本谷さんはいかがですか。
MOTOTANI MOTOTANI
そのような意味では、私は入社以来ずっと「支える」立場で仕事をしてきました。入社以来業務部門で勤務してきたため、実は現場をほとんど経験したことがありません。
MATSUOKA MATSUOKA
社内でも珍しいキャリアですよね。やはり「お客さまの前に立ちたい」とホテルに入社する方が多いこの業界ですが、配属がわかった当初の気持ちはいかがでしたか。
MOTOTANI MOTOTANI
私自身、学生時代に接客業を経験し、お客さまと話す仕事が大好きで、会員制という密度の濃い接遇ができるリゾートトラストを選んだので、やはりショックでした。業務部門に配属されて、最初の半年ほどは自分の中で割り切れない気持ちが残っていたと思います。
SUZUKI SUZUKI
業務部門の仕事に対して、考え方が変わったきっかけがあったんですか?
MOTOTANI MOTOTANI
「ホテルのスタッフこそ、自分のお客さまだ」ということに気付いたことですね。現場のスタッフがおもてなしをするのはお客さまですが、では、現場に立たない自分はお客さまとは関わっていないのだろうかと考えると、そうではない。総務や経理、設備の維持管理など、スタッフが働くこのホテルを支える自分の仕事のお客さまはスタッフだと、あるとき価値観、考え方、が変わりました。リゾートトラストは会員制ホテルが主体ですから、お客さまからはリゾートトラストでしかできない特別なおもてなしを求められます。常にその実現のために努力しているスタッフからの要望に、いかに全力で応え、支えることができるかが私の仕事であり、やりがいです。
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この仕事の喜びを感じる瞬間は
どんなときですか
MOTOTANI MOTOTANI
スタッフ一人ひとりが個性や才能を生かして、活躍している姿を見るときです。ある時、「自分にはホテルの仕事は向いていないかも」と仕事を辞めるか悩んでいるスタッフがいました。彼の上司とも相談し、試しに業務部門の仕事をお願いすることにしました。ホテルの表舞台に立つ仕事とは異なる仕事ですから、何か変わるかもしれないと思ったんです。そして、その期待通り、彼は新しい場所で一生懸命に仕事をし、強みを生かして働いてくれました。私の異動が決まった時「ありがとうございました」と涙ながらに言われたことは忘れられません。
SUZUKI SUZUKI
私も、スタッフの成長を見ることですね。クオリティ部門は、毎年4月にホテルに配属された新入社員の研修を担当するので、ホテルのすべてのスタッフの最初の時期を知っています。研修から巣立ち、現場で生き生きと働いているスタッフの姿を見ると、この仕事をできて良かったなと思います。クオリティ部門のオフィスまで、「たくさん着付けの練習をして、一人で着物を着られるようになりました!」と日本料理レストランのスタッフが着物姿を見せに来てくれたり、新しくこんなことができるようになったと報告に来てくれたり。忙しい中でも勉強して資格を取得したり、昇格試験に合格してキャプテンやチーフになったり、活躍していく姿を見ることが自分のことのように嬉しいです。
MATSUOKA MATSUOKA
お二人のおっしゃる通り、やはりスタッフが生き生きと働いてくれている姿を見ること、そして日々の成長の姿を見られることが何よりの喜びです。リゾートトラストは成長を応援してくれる場所ですよね。私たち支配人はもちろんですし、お客さまも本当に温かくスタッフを見守り、応援してくださいます。私は3度も開業を経験し、そのたびにホテルを転々としていますが、大変有難いことにお客さまが異動先まで会いに来てくださいます。私がキャプテンだった時に名刺をお渡ししたお客さまで、今ではチーフ、マネージャー、支配人と、私が経験した役職すべての名刺を持っていてくださる方もいらっしゃいます。どこで働いていても、いつになっても、応援してくださるお客さまがいて、その存在を励みに自分も成長できる。それはリゾートトラストだからこそできる経験だと思います。そのような、私たちが20年以上この場所で働き、実感してきたリゾートトラストで働く楽しさや醍醐味を、スタッフの皆さんに経験してもらいたい。その想いが自分の根底にあるように思います。
SUZUKI SUZUKI
おっしゃる通りですね。誰にだって向き不向きはあるし、強みを生かせることとそうでないことがあるでしょう。しかし、そのような壁にぶつかった時でも「このためにもっと頑張りたい」「これがあるから大変な瞬間も乗り越えられる!」と思える大きな喜びややりがいが、リゾートトラストには間違いなくたくさんあると私も思います。私たちが20年間を振り返ってしみじみと感じていることに、数年で気付いてほしいというのは難しいことだと思いますが…(笑)
MOTOTANI MOTOTANI
確かにそうですね。それらを伝えていくこと、そして実際に経験してもらえるように、日々サポートすることが私たちの役目なのかもしれません。“ホテルの仕事”と一言で言っても、業務部門を含めたくさんの仕事があり、自分の強みを生かせる仕事が必ずあるはずです。自分の仕事に誇りをもち、強みを開花させて働いていただければ、これに勝る喜びはないですね。
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03/
スタッフと共に
進化し続けるホテルに
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これからの目標をそれぞれ教えてください。
MATSUOKA MATSUOKA
いかにスタッフが力を発揮することができる環境をつくれるかが大きな命題の一つだと思っています。お客さまはスタッフに会いに来ています。レストラン一つとっても、料理がおいしいだけではなく、「あのスタッフに会いたい」からそのホテルに足を運んでくださるのです。スタッフが力を発揮し、素晴らしいおもてなしをできることで、ホテルも愛される存在になれると思っています。愛されるスタッフ、そしてホテルをこれからもつくっていきたいです。
MOTOTANI MOTOTANI
そうですね。スタッフが働く環境の基盤をつくる部門として、働きやすい環境や仕組みづくりを引き続き取り組んで、”Smile Spiral (笑顔の好循環)”を拡げていきたいと思っています。また、最近、人間の仕事の大半はAIで代替される時代が来るとされていますよね。リゾートトラストの仕事は、人にしか務めることができない仕事だと思っています。ここまで相手のことを想ったパーソナルなおもてなしは、人でしかできないでしょう。こうした「自分にしかできない仕事」ができる楽しみを、もっとスタッフに感じてもらえるよう、伝えていきたいと思います。
SUZUKI SUZUKI
おっしゃる通り、時代はどんどん新しく変化していきますね。私自身、経歴が長くなるに伴って、経験値も増え「昔はこうだったから、こうやれば上手くいく」という成功パターンをよりどころにしそうになります。ですが、経験におごらず、常に進化する人でありたいと思っています。今現場で活躍するスタッフが感じていること、考えていることに寄り添い、経験してきたことは糧として生かしながら、未来を担う新しいスタッフからどんどん吸収して、一緒にホテルをつくっていきたいと思います。
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