Resorttrust Rescuiting

和食料理 座談会
#SPECIAL 12

芦屋ベイコート倶楽部の『日本料理 時宜(じぎ)』で
約30名の調理スタッフを束ね、和食と調理を率いる多賀好広料理長。
料理の道に進んだきっかけや、これまでの道のりとその中での転機、
そして、成長や研鑽の場としてのリゾートトラストの環境の魅力とは。
多賀料理長のもとで腕を磨く入社2年目、3年目の若手料理人が
率直な質問や疑問を交えながら、料理長に聞きました。
PROFILE
  • K.KODAMA
    料理長 / 1990年入社
    Y.TAGA
  • H.FUNAKUBO
    入社3年目社員 / 2021年入社
    T.TERAOKA
  • K.TAMURA
    入社2年目社員 / 2022年入社
    K.MATSUDA
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入社1年目から料理に携わり
チームの一員として成長できる環境
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Y.TAGA Y.TAGA
私がリゾートトラストに入社したのは30年以上前。料理人としてのキャリアは40年を超えました。普段は厨房を取り仕切る役割を副料理長に任せているので、こうして二人とじっくり話す機会はなかなかありません。今日は何でも聞いてください。
T.TERAOKA T.TERAOKA
はい、さっそくお聞きしたいです。私は新卒で入社して今年で3年目です。1年目からご飯炊きの担当として、新人であっても責任感を持って仕事に臨む大切さを学びました。1年目から料理に携わる機会を与えていただけるのは、どのようなお考えからですか。
Y.TAGA Y.TAGA
早くから経験を積んでどんどん仕事を覚え、和食調理の一員として活躍する力をつけてほしいという想いを持っているからです。和食の世界では一般的に、新人は料理以外の雑用しかさせてもらえない、というのが慣例でした。しかしリゾートトラストではそんなことはありません。1年目から料理に携わり、本人のやる気次第で5年目ごろには「脇鍋」として店の味に関わる仕事もできますし、30代前半で副料理長や料理長を目指すこともできます。そのくらいのスピードでレベルアップしてほしいと考えています。
K.MATSUDA K.MATSUDA
私は専門学校のときにインターンシップで、今働いている和食調理で就業体験をしました。厨房内の活気や雰囲気の良さが印象に残り、それがリゾートトラストを志望するきっかけになりました。実際に今も、先輩方にわからないことを気兼ねなく質問できる環境です。
T.TERAOKA T.TERAOKA
ピリッとした緊張感があり、それと同時にチームとしての和やかさもある、とても働きやすい環境だと感じています。料理の世界は上下関係が厳しいイメージだったので意外でした。多賀料理長は、リゾートトラストの働く環境についてどのようにお考えですか。
Y.TAGA Y.TAGA
とても恵まれていると断言できます。料理をする上での環境や設備が整っていることもそうですし、福利厚生も充実しています。二人とも近隣の社員寮に住んでいますよね。芦屋でこのレベルの部屋を借りようとしたら、皆さんの年齢では通常なら手が届かないのではないでしょうか。公休も年に120日あり、有給休暇も取得できます。新卒で入社した人はこれが当たり前のように思うかもしれないけれど、非常に恵まれた環境だとぜひ知っておいてほしいですね。
T.TERAOKA T.TERAOKA
勤務がシフト制で、公休数も多く、仕事とプライベートのバランスが取りやすいと実感しています。専門学校の同級生の友人とお互いの職場の働き方について話したのですが、1日の勤務時間がとても長くて驚きました。
Y.TAGA Y.TAGA
早朝から深夜まで働いて研鑽を積むというのは、今の時代には合わない働き方なのかもしれませんね。限られた時間の中で中身の濃い仕事をすればいい。友人と比べて勤務時間は短くても、寺岡さんも負けないくらい良い経験を積んでいると自信を持ってください。
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レストランやホテル全体にも目を配る
大切さを学んだ料理人人生の転機
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T.TERAOKA T.TERAOKA
多賀料理長が料理の道に進もうと思ったきっかけは何ですか。
Y.TAGAA Y.TAGA
生まれ育った岐阜県郡上市は、冬は雪深くスキー場もすぐ近くにあって、実家はそこで民宿を営んでいました。母親は民宿で提供する料理に工夫を凝らしていて、私も自然と料理に関心を持つようになり、専門学校で学んだのち愛知県の日本料理店に入りました。今でも料理人としての原点はおふくろの味であり郷土の味ですね。
T.TERAOKA T.TERAOKA
リゾートトラストに入社された経緯もぜひ教えてください。
Y.TAGA Y.TAGA
愛知の店に7年勤めたあと、実家から近かったサンメンバーズひるがのに最初は冬季のアルバイトで入ったんです。2年後、社員にならないかと声をかけていただいて中途入社し、そのままサンメンバーズひるがのに勤務しました。
K.MATSUDA K.MATSUDA
これまでリゾートトラストの各地のホテルで勤務をされたとお聞きしています。その中で転機となった出来事はありますか。
Y.TAGA Y.TAGA
1997年に開業したエクシブ琵琶湖に、開業スタッフとして異動したことですね。当時32歳で、厨房では向板(むこういた)のポジションでした。ありがたいことに開業直後から多くのお客さまにご利用いただき、朝から晩まで私も厨房で刺身を引いていました。そしたらある日、料理長から「目の前の料理しか見ていないのは、料理人じゃなくて単なる料理馬鹿だ」と言われたんです。料理人は厨房全体にもっと広く目を配るべきで、役職者ならば、サービスも含めたレストラン全体や、ホテル全体のことも考えなければならない、と。ハッとさせられました。
T.TERAOKA T.TERAOKA
そこから行動を変えられたのですか。
Y.TAGA Y.TAGA
すぐには変えられなかったですね。忙しい厨房だったので、自分で手を動かさないと回らない現状もありました。全体に広く目を配ることや、部下に任せることができるようになったのは、そのあと何年もたって自分自身が料理長として経験を積んでからです。あの時に料理長から学んだもう一つの大切な教えは、レストランで起きているあらゆる問題は、接客も含めてすべて料理長の責任である、ということです。この出来事を機に、私は料理人として、マネジメントの方向へと舵を切りました。その道とは別に、スペシャリストとして技術を追求していくことも料理人としての一つの選択肢です。
T.TERAOKA T.TERAOKA
私はどちらかというとスペシャリストになりたいと思います。魚をさばくことが好きなので刺身を極めていきたいです。
Y.TAGA Y.TAGA
夢や目標があるのは素晴らしいことですね。料理人として一人前を目指す上で大切なのは、自分で考える訓練を積むこと。人から手取り足取り教えてもらったことは残念ながら身につきません。料理を盛る器ひとつをとっても、この料理に合う器の大きさや深さはどれくらいか、料理との色味のバランスはどうか、持ちやすさはどうか、と瞬時に考えることが山ほどあります。そうやって自分で考えるから身につき、財産になるんです。そして何より、素直であることが大切。人からの意見を素直に受け止め、自分の足りないところを素直に認められる人であってほしいと思います。
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お客さまのご要望にお応えしてこそ
料理も、料理人も進化を続けられる
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T.TERAOKA T.TERAOKA
料理人として力を磨いていく上で、リゾートトラストの良さは何でしょうか。
Y.TAGA Y.TAGA
料理人というのはお客さまに育てられる面が大いにあります。リゾートトラストのお客さまが料理や接遇に期待されている水準は極めて高く、それに対して私たちは常に95点以上の高い水準のものをご提供し続ける必要があり、料理人として鍛えられる環境であることは間違いありません。
T.TERAOKA T.TERAOKA
リクエストがあればメニューにない料理もお作りすることに、新人のときは驚きました。
Y.TAGA Y.TAGA
食材の都合などでご希望通りのものがご用意できない場合でも、「代わりにこの料理はいかがですか」と即座に代替案を出すことが大切で、臨機応変な対応力も培われます。お客さまのご要望を丁寧にくみとり、ご意見に真摯に耳を傾けて、絶えず改善を図りながら全力でお応えしていく。それを続けることで料理は進化し、料理人としても成長していけます。
K.MATSUDA K.MATSUDA
多賀料理長が40年にわたり料理の道を歩んでこられた、その原動力をぜひお聞きしたいです。
Y.TAGA Y.TAGA
おもてなしに心を尽くしてお客さまからお褒めの言葉をいただけたときは、心からうれしいですし、報われた思いがしますね。頑張れば頑張っただけ評価に結びつくリゾートトラストの環境も、挑戦する支えになります。普段から若い人たちに伝えているのは「続けた人が最後は勝ちだ」ということ。長く継続するためには常に頑張るだけでなく、適度に緊張を緩める瞬間も必要で、オンとオフのメリハリをつけやすいリゾートトラストの環境は長く働き続ける上でも理想的だと思いますよ。
T.TERAOKA T.TERAOKA
料理人に求められる力は多岐にわたると感じているのですが、特にこれからの時代に必要な力は何でしょうか。
Y.TAGA Y.TAGA
これだけ世の中の変化が早い時代なので、変化に順応する力は大切ですね。料理のスタンダードも絶えず変わっていて、30年前のレシピで今料理を作っても塩気が強くてお客さまのお口には合わないでしょう。今あるレシピや技術も、それが絶対というわけではなく、時代とともに変わることは頭にとめておくべきです。だからといって学ぶ価値が低いわけでは決してなく、目の前の仕事一つひとつに真剣に取り組むことが将来、時代に合わせて料理人として進化していく土台になります。お客さまに最高のおもてなしをご提供するために、ぜひこれからも共に研鑽を続けましょう。
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