#SPECIAL 02
- HOME
- SPECIAL FEATURE
- #SPECIAL 02
2020年9月、横浜みなとみらいに
「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」が誕生しました。
本ホテルのルーツはハワイ・ホノルルのカハラ地区で
半世紀もの歴史を紡ぎ、
世界のセレブリティたちに愛されてきた
「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」。
世界で2番目のカハラブランドを生み出すにあたって、
大切にしている考え方が「スピリット・オブ・カハラ」です。
これは、土地の魅力や文化を活かし、
人の温かさが伝わるおもてなしをお客さまに届けることです。
また、このプロジェクトは、これまで会員制ホテルを手がけてき
たリゾートトラストにとって、
初めての一般向けホテルという挑戦でもありました。
隣には当社が手がける会員制ホテル
「横浜ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート」も
併設しています。
世界一温かいホスピタリティを横浜で
体現するため、
本プロジェクトの
キーパーソンの3名は、
開業前からスタッフの採用・育成などに協力
して取り組んできました。
オープンまでの舞台裏にはどのような苦労があり、
どのような想いで
駆け抜けてきたのでしょうか。
3名が当時を振り返って語ります。
-
営業部長吉田拓人さん
2019年4月入社。立ち上げ当時は宿泊部長としてザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜と横浜ベイコート倶楽部の開業準備に携わり、2021年4月から営業部長となる。
-
業務部長森田興さん
1996年入社。2018年10月より業務部長としてザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜の開業準備に携わる。
-
総支配人阿部泰年さん
2019年4月入社。ゲストリレーション部長としてザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜の開業準備に携わり、2021年より総支配人となる。
- 総支配人
- 阿部泰年さん
最高のおもてなし
「スピリット・オブ・カハラ」
を実現
私たちのホテルでは、お客さまの宿泊管理を行う宿泊部とは別に、ベルマン、ドアマン、コンシェルジュ、ゲストリレーションズを束ねる、ゲストリレーション部という部署を立ち上げました。お客さまと接する部門をあえて独立させることは、他のホテルとは違う珍しいポイント。カハラ横浜がお客さまへのおもてなしを重視しているという意思表示です。
ゲストリレーション部の運営にあたって何より大切なことは、どのような仲間を集めるかです。都内のラグジュアリーホテルで経験のある方や、横浜の事情に詳しい方など、多様なメンバーが必要です。ちなみに、私たちのホテルでは日本で唯一、バレーサービス※を外部委託するのではなく、自社ホテルスタッフが実施しています。カハラ横浜の制服を着てお客さまの前に立つ人は、全員が「スピリット・オブ・カハラ」を持って最高のおもてなしを提供できる人財でなくてはならないと考えているためです。
開業時は私たちの知る優秀な方々に声をかけ、最高の人財に集まっていただきました。スタッフが集まったら次は、さまざまなホテルで、異なる価値観を持って働いていた方々をカハラ横浜の価値観にまとめなくてはなりません。どのような想いを持ってお客さまに接するべきか、心の一番土台の部分にしっかり据え付けてもらうことに心を砕きました。
(※ホテル前でお客さまの車をお預かりするサービス)
こそ伝えられた
「自由にやってほしい」
開業日前日の2020年9月22日18時、直属の部下全員を集めて、開業に向けた心構えをお話ししました。「開業準備が全て整いました。色々と本当にありがとう。明日からは、皆の好きにやってもらって構いません。ただ、2つのルールを守ってください。1つめは、必ずお客さまの目線でジャッジメントすること。こちらの方が楽だ、こちらの方がお金がかからないとホテルサイドの目で考えると、正しいジャッジメントはできません。2つめは、目の前のお客さまを、必ず喜ばせて帰って来ることです。いくら時間をかけてもいいし、いくらお金をかけてもいい。自分が思う最高のサービスを提供してください」。スタッフの皆さんを信頼していることと、私たちが一番すべきことを伝えました。
私たちの挑戦は終わらない
けれど、万全の準備をして迎えた当日のことは、今でも夢に現れるほど反省の多い1日となりました。開業の時間にはロビーはお客さまで溢れかえり、スムーズにチェックインができなかったのです。私は全てのお客さまに名刺を渡し、お待たせしてしまったことをひたすら謝り続けました。売上の面では好調でしたが、私たちが描くおもてなしのレベルには全く届きませんでした。あの日を2度と繰り返したくないという思いで、その後は徹底的にサービスに磨きをかけ、スムーズで快適なおもてなしを追求し続けてきました。開業から2年が経ち、現在は口コミなどでもご評価いただき、横浜でトップレベルのホテルとなることができています。次の目標は日本一のおもてなしを提供するホテルです。頂点からの景色を最高のメンバーたちと一緒に見られるよう、努力を続けていきます。
- 営業部長
- 吉田拓人さん
巨大プロジェクトへの挑戦
2020年6月のザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜開業に向けて2019年4月から準備を進めてきました。しかし2020年1月頃から新型コロナウイルスの感染症が拡大。開業の延期を余儀なくされました。かなりショックでしたが、いかにポジティブに対応するか、どうやってチームのモチベーションを高めるかを考え続けてきました。
私は30年前にホテル業界に入り、過去に3つのホテルの開業・リブランドに携わってきました。そして今回が4つめの大きな開業プロジェクト。ハワイで50年以上の歴史あるホテルを日本でどのように成功させるのか、チャレンジングなプロジェクトにワクワクしながらリゾートトラストに入社しました。
カハラの世界観をつくる
ホテルをゼロから開業すると聞くと、わいわいと楽しそうなイメージがあるかもしれませんが、正直に申し上げると、大変なことばかりです。白鳥が水の上ではすましていながら、水中では必死に足を掻いているのと同じですね。
カハラブランドを横浜に立ち上げるうえでの私の役割は、宿泊部長として、フロントシステムの選定や、清掃会社のリサーチ、客室のベッドやリネン、ペン1本に至るまで、カハラ・ホテル&リゾートの世界観に合った選択をすることでした。冷蔵庫に揃えておく飲み物についてもSDGsを考慮して瓶や缶のものを選びます。考えることが山ほどあって、想定外のトラブルも5つ6つと同時に発生しましたが、今思えば、それも非常に楽しかったです。
とりわけ苦労したのは、直属メンバーの採用です。30分、1時間で応募者の本質や対応能力を見極めるのは簡単なことではありません。さまざまな方が応募してくださった中で悩みながらも、一緒に働きたいスタッフを選びました。チームをまとめる際も、ある時はトップダウンで、ある時はボトムアップで、さまざまな困難を乗り越えてきました。そのように選び抜き、育て上げてきた宿泊部のメンバーは、現在の私の所属部門は違えど、私の宝です。
開業の醍醐味。
Let’s have fun!
当日お客さまを迎える直前、皆さんにはこう話しました。「Now we are on the
stage. お客さまにサービスを提供する役者として、皆さんは舞台に立つのです。楽しんできてください」と。やはりどんなに立派な建物で、良い景色の部屋があっても、ホテルはホスピタリティが最重要です。単に食事をして眠ってもらうだけではなく、そこに私たちならではのエッセンスをどれだけ加えられるかで、お客さまの満足度は全く異なります。だからこそ、一緒に働くメンバーの人選と、メンバーのコンディションを良い状態に保つことは非常に重要なのです。
開業当日は本当に大変でした。十分な準備をしたつもりでしたが、予期せぬ出来事がたくさん起こりました。それでも次の一手でいかにリカバーするか、お客さまが何を望んでいるかを考え続け、一つひとつ結果を積み重ねてきました。ゆくゆくは、3つめのザ・カハラ・ホテル&リゾートのロールモデルとなるよう、これからも日々着実に最高のホスピタリティを提供し続けます。
- 業務部長
- 森田興さん
横浜から世界に
ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜は、リゾートトラストとして初めての、一般ラグジュアリーホテルです。しかも、同じ建物の中に会員制ホテルの横浜ベイコート倶楽部が併設するというハイブリッドなホテルであり、壮大なプロジェクトとしてスタートしました。
私が開業準備室に入ったのは、2018年の10月。業務部長として、人事や総務、経理、購買、エンジニアなどを担当しました。その中でも最重要課題は、社内外からこのホテルで共に仕事をしたいという強い想いのある方を集めることでした。中途採用では、阿部総支配人や吉田営業部長のようなホテル経験豊富な方や経験はないものの志のある方が続々と手を挙げてくれました。また、社内でも開業メンバーを募集し、全国の仲間1人ひとりに会いに行って最適なメンバーを選びました。
そうして集まったオールジャパンのメンバーで、「TEAM(Thankful, Engaged, Ambitious, Motivated)」というコンセプトを掲げ、1つのチームとしてカハラブランドを横浜から世界に発信していこうと意気込んでスタートしたのです。
乗り越えてきた
開業を前にし、コロナ禍となり、開業日も延期となり、研修の実施もままならない想定外の状況が発生しました。それでも全員がチームとして団結し、それぞれの役割を全うして支えてくださったおかげで、楽しみながら乗り切ることができました。
開業前日には、皆さんにこのように話しました。「今日までありがとうございました。ホテルが開業すれば、全員で一緒に出勤することはもう2度とありません。ここが一つの終わりですが、明日からは新しいスタートです。また次の目標に向かって、走り続けていきましょう」。
1996年に新卒でリゾートトラストに入社してからこれまで多くの経験をしましたが、今回の開業に携わった期間が私のキャリアのハイライトであったと、非常に誇らしく思います。
&リゾート横浜
本当のスタートはこれから
開業から2年が経ちましたが、私たちが目指していた姿にはまだ到達していません。外国のお客さまがこれからもっといらっしゃるでしょうし、スタッフの労働環境もまだまだ向上させなくてはなりません。多くのホテルが人財不足に苦しんでいますが、皆さんがここで働くことを誇りに思えるような場所にしていかなくてはと思います。
私たちが求める人財は、知識や経験のある人というよりも、おもてなしの心がある人です。このホテルで働きたい、横浜が好きだという気持ちのある方、一緒にザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜をより良くしていける、熱意のある仲間を待っています。